2月
浅春の候
立春が過ぎたとはいえ、あいさつに春と使うのは、もう少しあと。浅春(せんしゅん)の候とは、二月のお終いから三月の初め頃に使う時候のあいさつです。秋は深まるといいますが、春は浅し。さり気ない言葉の中にも、うつろう季節の気配を大切にする、日本語の奥行きを感じます。それにしてもこの朝夕の冷えで、花色までが灰色にうるんで見えて。春は名のみの風の寒さや。今日もいちりんあなたにどうぞ。
春と聞かねば知らでありしを 聞けば急かるる胸の思いを いかにせよとのこの頃か 『早春賦』
クリスマスローズ 花言葉 「いたわり」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。