2月
梅とうぐいす
魯山人の随筆に『梅とうぐいす』があります。ある日訪ねてきた女流歌人に「うぐいすの歌を作るとき、あなたなら何を配するか?」と尋ねる翁。「うぐいすにはさしずめ梅であろう」と続けると「それはまた陳腐ですね」という歌人に、なかば呆れて魯山人は応えます。
「うぐいすは梅を好むからそこに止まり、好むところには調和がある。あなたが概念に囚われて新しいとか古いとか、机上で歌を作ろうとするから陳腐なのであり、もしあなた自身の目でこれを見て、感じて、歌われれば、決してそれは古くはないはずです。」
傲慢毒舌で悪評高かった翁ですが、真のある言葉は心に響きます。好むところに調和あり。今日もいちりんあなたにどうぞ。
すべて調和か統一かが大切だ。そして、季節のいちばん感じられるものがいいとわたしは思う。色の配合も、調和か統一だと思う。北大路 魯山人
ウメ 花言葉 「忠実」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。