12月
年末雑感
12月ももう数え日。ものの終わりには、ぱちんと線をひいたり鮮やかに飾って決まりをつけたい、そんな心になるのも人情でありましょう。ひとつひとつ片づけ見送って、ふと佇むような感もあり、とにかくみんな果たして早くほっとしたい気持ちもあり。古今和歌集の中に「年末とはなんだか鏡の中の自分の姿さえ暮れてゆく気がするから、往く年が惜しい」という歌があります。終わること仕舞うことに名残惜しさはあるものの、でもそんな別れ際に心は磨かれるような気がするし、これが12月の季感というものであろう、そんなことを思います。新年もこうして皆さまとご一緒できますように。よい年をお迎えくださいね。感謝を込めて。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ゆく年の惜しくもあるかな ます鏡みる影さへにくれぬと思へば 紀貫之
サザンカ 花言葉「ひたむきさ」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。