ローズマリー 花言葉「追憶」

更新日:2025.10.02 公開日:2014.11.17
ローズマリー 花言葉「追憶」

愛や貞節を象徴し、女性の愛称としても知られる「ローズマリー」。古くからヨーロッパでは記憶力を高めるハーブ、そして「不変の愛」「忠誠」「追憶」を象徴する植物として親しまれてきました。

シェイクスピアの悲劇『ハムレット』にも、ローズマリーは象徴的に登場します。第4幕第5場、狂気に沈むオフィーリアが花々を手渡しながら語るあの台詞──

「ほら、ローズマリーがあるわ。思い出のためにですって。
ねえ、だからお願いあなた、わたしを忘れないで。」

この言葉は、ローズマリーが「記憶」と「不変の愛」を意味することを、現代にまで強く印象づけています。


このシーンから連想する人も多いのが、画家ジョン・エヴァレット・ミレイによる名画「オフィーリア」。水に浮かぶ女性と共に描かれた草花には、ひとつひとつ象徴的な意味が込められています。ラファエル前派の特徴である細密かつ写実的な描写は、まさに神々しいほどの美しさで、観る者の心をつかんで離しません。

絵画の中のローズマリーは、オフィーリアの愛と記憶、そして失われたものへの「追憶」の象徴として、そっと彼女に寄り添っています。

画家ジョン・エヴァレット・ミレイによる名画「オフィーリア」。

ローズマリーは、ただ香りの良いハーブとしてだけでなく、「愛」と「記憶」の花として、古くから人々の生活や祈りに息づいてきました。料理やハーブティーに使われる一方で、冠やブーケに編み込まれ、誓いや祈りの象徴としても用いられてきたのです。

ふとローズマリーの香りを感じたとき、過去の誰かや、あの日の思い出が蘇ることがあります。それは、私たちの心に宿る「追憶」を静かに呼び覚ます、ささやかな奇跡なのかもしれません。

今日もいちりんあなたにどうぞ


ローズマリー 花言葉「追憶」

ローズマリー 花言葉「追憶」