8月
凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ

凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ 中村草田男
ノースリーブの肩を秋の風がさわってゆきました。花火も終わって、処暑もすぎて、少しずつ心もなりも、秋に向かってあらためていく頃です。夏のしまいに咲き誇るノウゼンカズラの花。「凌霄花」と書きますが「凌」は「しのぐ」「霄」は「空」「雲」の意味があり、つるが木にまといついて、天空を凌ぐほど高く登ることから、この名がついたそうです。
花の少ない夏の季に、紅をさす百日紅、頬を赤めて凌霄花。春の桜も、初夏の藤も、やはり花の美しい樹は「女」だと思います。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ノウゼンカズラ 花言葉「女性らしさ」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。