5月
バラ紫 花言葉「尊敬」

昔、誰よりバラを愛したその人の、活ける花といえば、それはそれは艶やかで、しなやかで、ロマンティックで、ただ魅入るばかりに美しかったのですが、先生どんなバラが好きですか、と問うたところ、曰くそれは生まれ育った下町の、都電荒川線沿いの薔薇こそが、自分にとっての薔薇であると、少年のような眼で仰ったひとときを、いままた懐かしくほろ苦く思い出しました。
道々に、ひと花見つけるたび、懐かしい光景が蘇るバラの花。季節は薔薇。今日もいちりんあなたにどうぞ。
薔薇を愛するは げに孤独を 愛するなりき
わが悲しみを 愛するなりき 若山牧水
薔薇を愛するは げに孤独を 愛するなりき
わが悲しみを 愛するなりき 若山牧水
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。