5月
シラユリ 花言葉「純潔」

白ユリはその神秘的で清潔な雰囲気から、西洋では「聖なる花」とされます。キリスト教ではマドンナリリーと言い、聖母や聖人に奉げられてきました。カトリック聖人伝によれば、「聖母マリアの、清らかでけがれない愛を「白ユリ」にたとえ、マリア・マグダレナの痛悔した血の涙で、前非を洗い流した愛は「真紅のバラ」にたとえられる」と書いてあります。
ちなみにスズランは「聖母の涙」、ヒナギクも「聖母の涙から生まれた」という言い伝えがあります。赤いおだまきの別名は、フランスで「聖母の手袋」 とも。
アダムの妻イヴは、蛇にだまされ禁断の木の実を食べ、エデンの楽園を追われましたが、そのイヴの流した涙が、地上に落ちてユリになったともいいます。純粋、無垢、平和の象徴、そして聖母マリアに捧げられた花。母の愛をうけて咲く花。母へ。母から子へ。今日もいちりんあなたにどうぞ。
子を思う 親の心は日の光
世より世を照る 大きさに似て 有島武郎
シラユリ 花言葉「純潔」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。