11月
花は散ってもなお花
風姿花伝 (ふうしかでん) は、世阿弥が記した能の理論書。世阿弥の残した21種の伝書のうち最初の作品とされています。多くの導きある言葉が残されている中で、どんな花でもいつかは散るもの。散るからこそ、また咲く時節がやってきて、新鮮さが生じるのです、と世阿弥は書き残しています。そう花は散ってもなお花。色褪せた終焉さえも、その風姿は美しいばかり。
いづれの花か散らで残るべき。散る故によりて、咲く頃あれば珍しきなり。 世阿弥「風姿花伝」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。