5月
花ごころは女心

恋多き女と呼ばれ、ナポレオン一世の妃で
知られる、フランス皇后ジョゼフィーヌは、マルティニーク島の生まれでしたが、彼女はフランスに行くまでこの花を知りませんでした。
品種にその名を遺すほど、バラを愛したとされるジョゼフィーヌも、ダリアに出会うとこの花こそが自分好みの花と宣言します。
そこで手すがら宮殿に植えた自慢のダリアを、皇子や大臣に見せるためにわざわざ招待するまでに至りますが、しかし彼女は誰にもこの花を分け与えませんでした。
そこで、ポーランドの王子が園丁に20フランを握らせ100本を盗ませます。この事件がもとでジョゼフィーヌは気分を害し、ダリアに興味を抱かなくなったとのこと。
他にも諸説残されていますが、このダリアの二つの花言葉「移り気」「永遠にあなたのもの」はそんな独占力の強い、ジョゼフィーヌの女心に所以するのでしょうね。
しかし、こんなに美しい花なのに、独り占めなんて、それこそもったいない限り。
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。