花以想の記

秋の燈（ひ）のいつものひとつともりたる木下夕爾秋になり、朝夕の涼しい風がたつようになると、秋の夜長も手伝って、読書欲が高まります。「燈火親し」とは、昔はロウソク...

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。川端康成懐かしい人との再会。月日が経ってもあの頃のまま、変わらぬ空気を身にまとい、再び会えると...

薔薇は匂つてゐる　けれども薔薇はそのことを自分の匂つてゐることを感じてゐるのだらうか？「薔薇」　ハインリヒ・ハイネ（生田春月 訳）スッキリとさわやかな秋晴れから...

なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな与謝野晶子（なんとなく恋しい人が私を待っていてくれるような気がして、歩いていると、そこは秋の花々が咲く野原...

言葉は真心を込め、行いは慎み深く、事を取りさばき、人に接するには必ず誠意を持って臨め。渋沢栄一行住坐臥（ぎょうじゅうざが）という禅語があります。行は歩く、住は留...

あっという間に日が暮れて、今宵は月夜、十三夜です。あまり聞きなれないですが、それは十五夜が中国から伝わる古い風習であるのに対し、十三夜は日本にはじまった風習だか...

アガパンサス紫式部.まるで夏の夜空に染まったような、深い紫色が麗しい、この子の名前は紫式部。アガパンサスめぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ...

日本に暮らす私たちにとって、盆と正月はおおきな季節行事であり、昔から大変に忙しかったり、嬉しいことが重なったときには「盆と正月が一緒に来た」などといいました...

家守りし 妻の恵みや 我が学び　世の中の あらん限りや すゑ子笹牧野富太郎この半年間放映されていたNHK朝の連続テレビ小説『らんまん』が終了しました。ご覧になっ...

露草（つゆくさ）古くからその花の絞り汁は友禅染の下絵に使われており、またそうして色素を布に移すことからこの青色は「移し色」と呼ばれました。下絵に使うということは...