2月
パンジー 花言葉「私を思って」
古いドイツの花物語より。
むかし昔パンジーにもスミレのように野原に自生していた頃がありました。しかし香り麗しいパンジーを、血まなこになって探し続けた人間の熱狂は、悲しいことに野原の破壊をもたらします。その様子を見たパンジーは三位一体の神(trinity)に願います。
「どうかこれ以上、人間に探されることがないように、この香りを取り除いてください」と。以来、人を魅了する香りを失くしたパンジーですが、今では品種改良も重ねられ、香りはなくともその愛らしさは、この花独自の魅力です。そして今に至っても「三位一体」の象徴であり、思惑を意味する花であり、恋の花であることも不変ですね。物想いの夜に。今日もいちりんあなたにどうぞ。
“…and there is pansies, that’s for thoughts”
-Hamlet IV.v
それから、これはパンジー、物想いのしるしよ。
-ハムレット第4幕第5場
パンジー 花言葉「私を思って」

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。