6月
あわてなさんな
お父さん、今頃、どうしてるかしらね。そんなことを思っていたら、偶然みつけたこんな詩。お父さん、今頃、どうしてるかしらね。今日もいちりんあなたにどうぞ。
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花をあげようと父親は云う
種子が欲しいんだと息子は呟く
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花をあげようと父親は云う
種子が欲しいんだと息子は呟く
翼をあげるわと母親は云う
空が要るんだと息子は目を伏せる
道を覚えろと父親が云う
地図は要らないと息子がいなす
夢を見ないでと母親が云う
目をさませよと息子がかみつく
不幸にしないでと母親は泣く
どうする気だと父親が叫ぶ
あわてなさんなと息子は笑う
父親の若い頃そっくりの笑顔で
『あわてなさんな』谷川俊太郎
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ヒマワリ 花言葉「あなたを見つめる」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。