8月
道路掃除夫ベッポの教え

エンデの『モモ』に登場するは、いつも黙って笑うばかり。人に何を聞かれてもニコニコするだけで、返事もせず考えてばかりの誰から見ても奇妙なおじさんです。子供たちにからかわれ、大人たちに笑われる、そんなベッポを変とも思わず、ずっと彼が今に何を言うかなと、答えを待ち続けるのが主人公のモモ、二人は親友でした。
ベッポはモモに言います。「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
相手の心の声に耳を傾けたとき、聴こえてくるのはきっと自分の心の声、そんなことを思いました。 きく・聞く・聴く。今日もいちりんあなたにどうぞ。
あなたの声に会いたい
キク 花言葉「私を信じて」
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。