6月
秘すれば花なり
能の名人世阿弥は、自身が記した能の理論書「風姿花伝」で「花とおもしろきと珍しきと これ三つは同じ心なり」と説きました。
それは「誰も気付いていない」という珍しさ、意外性が「感動」を生み、それこそが「おもしろさ」であり「花」なのだ、という意味をもちます。
秘密の部分があるから花であり、秘密の部分が無ければ、もはや花ではない。人の魅力にも通じるこの言葉。ときおり声にしては胸に刻みます。
秘すれば花なり 秘せずは花なるべからず 世阿弥
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。