7月
桔梗色の空の下

宮澤賢治の作品には「桔梗色」という表現が多くでてきます。自然の風景と心の情景が浸透しあい、まばゆい光と天藍の夜の描写が何より印象的な賢治の世界。夜空をイメージさせる色に桔梗色の空とは、なんて美しくて幻想的なのでしょう。
「夜があけかゝり、その桔梗色の薄明の中で」まなづるとダァリヤ
「またその桔梗いろの冷たい天盤には」
「その冷たい桔梗色の底光りする空間を」インドラの網
「その冷たい桔梗色の底光りする空間を」インドラの網
「桔梗いろの天球には、いちめんの星座がまたたきました水仙月の四日
「美しい美しい桔梗いろのがらんとした空の下」
銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜
短夜。大切な人と、吸い込まれんばかりの天球を見上げてみませんか。この夏、桔梗色の思い出に。
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。