Carpe diem(カルペ・ディエム)その日の花を摘め

「Carpe diem(カルペ・ディエム)」という言葉があります。古代ローマの詩人ホラティウスの詩に登場する語句で、「Carpe」は「(花などを)摘め」、「Diem」は「日を」を意味し、「一日を摘め」のほかに「その日の花を摘め」とも訳されます。

それは、あてにならない明日に希望を求めるより「今日その日を大切に生きよう」とうたった詩。

私の周りには、私自身が知っていること気づいていること以上に、知らないこと気づいていないことに溢れています。それは日々のしごとで、花をおくりながら知ることです。

病気をしたことを痛切哀れに感じたり、不自由になったことで気負いがふえたり、お別れによる淋しさと孤独に沈黙したり、

それがわたくし事や、身内のことであったほど、世間大にせず声にもせず、小さく包みにして胸にしまってらっしゃいます。

すると、せめて花を、と手をさしのべる人があらわれます。それなら、とその手に花をさしだす私たちがいます。生きましょう、大切に生きましょうと願いながら。わたしもね、あなたもね、と支えあいながら。花屋とは、そんなしごとです。

気持ちの良い朝をむかえました。今日この日も大切に、よい一日になりますように。