4月20日「穀雨」クール便のお話

4月20日は「穀雨(こくう)」。穀物の成育に潤いをもたらすあたたかな雨(穀雨)が降り始め、穀物などの種蒔きに最適な気候としています。

必ずしもこの時期に雨が多いというわけではないようですが、しっとりとした春の雨は、せわしなく過ぎた4月の心をいったん落ち着かせてくれていいものです。

またこのころを境に、季節は春の終わりを告げます。

いつもなら月末にもなればもう初夏の気配、なんて挨拶をしていたものですが、今年は季節が足早に過ぎてゆき、花の盛りも通常より2週間は早くに迎えているようです。

この数日は東京も夏日が続き、さっそく夏の懸念を思いだしました。日本の、とかく東京の高温多湿は、人ばかりでなく植物にとってもきびしさは増すばかり。。。

ここで「クール便」のお話を。 

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「HANAIMOさんはクール便はつかわないの?」

よく聞かれる質問です。

これまではつかわない理由がありましたが、近年の夏の酷暑はあまりに非常なため、現在は一部商品でクール便対応するようになりました。

この一部というのは宅急便の規定上、サイズ制限があるためです。

「なぜクール便を使わなかったの?」

これは当店には「冷蔵庫がないから」なんです。つまり花は常に人と同じ環境で温度管理しています。

ちなみに冷蔵ストックできないので、花も週に3回仕入れます。

ここには3つのメリットがあります。

1.花が常に新鮮
2.花にストレスが少ない
3.花もちがいい

こと、この2と3に「温度管理」が影響しています。

簡単に説明すると、畑→市場→花屋→宅急便→お届け先と、この間に温度差を少なく管理された花は、環境こそ変われど状態よくお届け先に届き、そして長持ちします。(当店の花の花もちに定評いただける、理由のひとつだと考えています)

しかし冷蔵常温を繰り返せば、花もストレスを感じ、ときに体調を崩してしまうことがわかっています。

たとえば私達も、猛暑を避けクーラー車に乗ったものの、地上に出たとたん、温度差で具合が悪くなりますね。あれを繰り返すイメージです。

そもそも新鮮で状態もよくストレスの少ない花を、わざわざ(クール便を使うことで)ダメージを与える必要があるだろうか。結果花もちにも影響するとわかっているのに、誰得なんだ。と、長らく考えてきました。

しかしながら、昨今の夏の異常なまでの猛暑には適切な対処は必至です。花の状態は別にしても、受け取った方の抱く印象やお声は、難くなく想像できます。

クール便問題(と呼んでいます。笑)、これは私たちにとって本当に悩ましい選択なのですが、つかう以上は仕入れ、制作、出荷、すべての過程において十分配慮をしてまいります。

何より大切なことはお気持ちを届けること、そしてその花がお届先で一日も長く、元気に美しく咲き続けてくれることですから。

この夏の暑さも厳しくなることが既に予測されますが、ほかの季節同様に、皆様のお役に立てますよう努めてまいります。

いつもお声をかけていただき、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

HANAIMO 店主 鈴木咲子