忌中 喪中の違いと、花の贈り方マナー

「忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)」は、ともに大切な人を亡くした際の弔いの期間を指しますが、その意味や長さ、花を贈るタイミングには違いがあります。知らずに贈ってしまうと、相手の心情を乱してしまうことも。この記事では、忌中と喪中の違いをわかりやすく解説し、それぞれの時期にふさわしい花の贈り方をご紹介します。大切な方へ心を込めてお花をお贈りするために、ぜひ参考になさってください。
この記事の執筆者
Hanaimo(花以想)店主
忌中 喪中の違い
「忌中」とは、故人が亡くなられてから四十九日までの期間を指します。仏教では四十九日を「忌明け」と呼び、この間はご遺族が深い悲しみにある大切な時期とされています。
一方「喪中」は、忌明け以降から一周忌までの約一年間を示す言葉です。社会的な慣習として、年賀状や祝い事を控える期間でもあります。
つまり、忌中はより慎み深く故人に寄り添う期間、喪中は日常を取り戻しながらも節度を持って過ごす期間。花を贈る際にも、この違いを理解しておくことが大切です。
忌中:亡くなった日から四十九日まで。仏教の「忌明け」までを指す。故人に寄り添う最も慎み深い期間。
喪中:忌明け後から一周忌まで。社会的な慣習として喪に服する期間。年賀状などの挨拶を控える対象となる。
→ ポイント:忌中は「ご遺族が深い悲しみにある時期」、喪中は「慎みを持ちつつ日常に戻る期間」。

忌中における花の贈り方
忌中に贈る花は、落ち着いた色合いが基本です。
- 白い花(百合、菊、胡蝶蘭、カーネーションなど)
- 紫や淡いグリーンを差し色にしたアレンジ
華やかさよりも「清らかさ」や「静けさ」を意識しましょう。ラッピングは白やグレー系、光沢の強いリボンは避けます。贈る形としては、自宅や祭壇に供えるアレンジメントや花束が一般的です。
喪中における花の贈り方
忌明け後の喪中期間には、少しずつ彩りを取り入れても失礼にはあたりません。
- 白を基調に、淡いピンクや紫、薄い黄色を加える
- 派手すぎないトーンでまとめる
一周忌までの法要や命日に合わせて贈ると、よりご遺族に寄り添う形となります。また、遠方から贈る場合は、宅配で祭壇へ直接お届けできるサービスを利用するのも安心です。

忌中・喪中に避けたい花や色
花を選ぶ際に注意したい点もあります。
- 赤や濃いピンクなどお祝いを連想させる色は控える
- ラメや派手な装飾を施したアレンジは不向き
- 香りの強い花(バラなど)は避けた方が無難
ご遺族が落ち着いて受け取れる、控えめで清らかな花を意識しましょう。
まとめ:想いを伝えるための花選び
忌中と喪中の違いを理解し、それぞれに適した花を選ぶことは、贈る側の心遣いを示す大切な行為です。悲しみを癒すのは時間と人の思いやり。その一助として花を贈るときは、「相手に寄り添う気持ち」を忘れずに。
花以想(Hanaimo)では、マナー監修のもと安心して選べるお供え花をご用意しています。仕上がり画像の確認やLINE相談などのサポートもございますので、不安な点があればぜひお気軽にご相談ください。


この記事の監修者
フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。
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