香典の代わりに、花を贈るという選択。葬儀後のマナーと花の選び方

Posted on 2026/03/30
香典の代わりに、花を贈るという選択。葬儀後日のマナーと花の選び方

香典の代わりに、花を贈るという選択。葬儀後のマナーと花の選び方

「葬儀には参列できなかったけれど、何か気持ちを伝えたい」
「家族葬で香典はご辞退と言われた。でも、そのままにしておくのは気になって」

こんなふうに、訃報を受けながらも香典を手渡せなかった方は、決して少なくありません。
このページでは、香典の代わりに何かを贈ることを考えている方に向けて、葬儀後日の対処法とマナー、そして花を選ぶことのメリットと贈り方をご説明します。



贈る前に確認したい3つのこと

香典の代わりに品物を贈る際、もっとも大切なのは「遺族の意向」を確認することです。気持ちから贈ったものが、受け取る側に負担を与えてしまうことのないよう、順を追って確認しましょう。

家族葬の場合、訃報のお知らせに辞退の内容が明記されていることがあります。内容によって対応が変わるため、よく確認してください。

  • 「香典をご辞退」と書かれている → 供花・供物は贈ってよい場合が多い
  • 「供花・供物をご辞退」と書かれている → 香典は贈ってよい場合が多い
  • 「ご厚誼(ご厚志)をご辞退」と書かれている → 香典・供花・供物すべてを辞退する意味。贈ることを控える

喪中はがきや人づてで訃報を知った場合は、電話やメールで遺族に一報を入れてから贈るのが丁寧な対応です。「弔問させていただけますか」「お花をお送りしてもよろしいでしょうか」と打診し、受け取ってもらえるか確認してから手配します。

葬儀を終えたばかりの遺族は、心身ともに余裕がありません。葬儀の直後ではなく、少し時間をおいてから贈るのが遺族への配慮です。

  • 葬儀後すぐに訃報を知った場合 → 初七日を終えたころ(葬儀の約1週間後)
  • 葬儀から1週間〜四十九日の間に知った場合 → 四十九日の法要に合わせて
  • 喪中はがきや人づてで半年以上後に知った場合 → 命日や月命日に合わせて贈ることが多い

香典の代わりに贈る品の相場は、¥3,000〜¥5,000程度が一般的です。

一般的な香典の相場(友人・同僚で¥5,000〜¥10,000程度)よりも、やや控えめな金額が目安です。香典と同額程度の高価なものを贈ると、遺族がお返しを気にしてしまうことがあります。遺族に余計な気苦労をかけない、ということが何より大切です。


香典の代わりに選ばれる品もの

仏式では「五供(ごく)」—香・花・灯燭・水・飲食—が仏前へのお供えの基本とされています。これを参考に品物を選ぶと、遺族の方に失礼なく弔意を伝えられます。

仏式のお供えの中心となるもので、日常的に使うため受け取ってもらいやすい品物です。香典の代わりに贈るなら、日用品ではなく伽羅・白檀の香りがする贈答用の上質なものを選びましょう。煙や灰の少ないタイプを選ぶと、ご家庭への配慮がさらに伝わります。

ただし、神式のご家庭には線香は使いませんのでお控えください。

好き嫌いが出にくく、四十九日を過ぎてからも贈りやすい品物です。選ぶ際のポイントは、日持ちすること・個包装であること・パッケージが落ち着いた色合いであること、の3つ。ようかん・おせんべいなどの和菓子のほか、クッキー・フィナンシェなどの洋菓子も選ばれています。

ティーバッグや小分けのドリップコーヒーなど、仏壇にお供えしやすいサイズ感のものを選びましょう。故人が好まれていた飲み物をお選びになると、より気持ちが伝わります。

なお、浄土真宗では水やお茶を仏前に供えない慣習があります。宗旨が分かる場合は確認してから選ぶと安心です。

常温で日持ちする丸型の果物(りんご・梨・メロンなど)が定番です。お供えした後に長く飾れるよう、完熟より少し青めのものを選ぶのが鉄則。百貨店などで「お供え用フルーツ盛り合わせ」として注文するのも安心です。

五供の一つ「花」は、「花や香りを仏さまに楽しんでいただく」という正式な意味をもつお供えです。食べ物やお茶と並んで、古くから仏前に供えられてきたもの。お返しが不要で郵送も可能なため、葬儀後日のお悔やみとして選ばれることが増えています。

次の章で、花を選ぶことのメリットをより詳しくご説明します。


それでも花がよい、その理由

品物のなかで、花を選ぶことをおすすめしたい理由が4つあります。

供花はお返しの慣習がありません。香典の場合、遺族は「香典返し」を手配しなければなりませんが、花にはその必要がないため、遺族への負担をかけずに気持ちを届けられます。

アレンジメント(器付きの花)なら宅配便でお届けできます。遠方にお住まいで弔問が難しい方や、喪中はがきで後から訃報を知った方も、花なら気持ちを届ける手段として選びやすいものです。

線香は神式のご家庭には向きませんが、花は仏式・神式・キリスト教式を問わず、広く受け取っていただける品物です。先方の宗旨が分からない場合にも、花は選びやすい選択肢です。

花の持つ色と香りは、悲しみの場に静かな明るさをもたらします。「花を飾っていた日々」が遺族の心の支えになることは、花を贈り続けてきた私たちが実感していることです。


どんな花を選べばいいか

弔事の花は、白を中心とした落ち着いた色合いが基本です。白いトルコキキョウ、白いカーネーション、白い菊などはどの場面でも安心して選べます。淡い紫やクリーム色を少し加えると、やわらかく上品な印象になります。

四十九日を過ぎてからは、淡いピンクや淡い黄色を少し取り入れることもあります。迷う場合は「白メイン」が最も無難です。

郵送で贈るなら、器に活けた状態でお届けするアレンジメントを選びましょう。先方がそのまま仏壇や祭壇に飾れるため、花束のように「花瓶を準備してもらう」必要がなく、受け取る側の手間になりません。コンパクトなサイズを選ぶと、自宅の仏壇まわりにも置きやすくなります。

  • バラ(トゲのある花は仏教では避けることが多い)
  • 花粉が落ちやすい大ぶりなユリ
  • 香りが強すぎる花(フリージアなど)
  • 毒をもつ花(スズラン・スイセンなど)
  • 鮮やかな赤・オレンジ・黄色(華やかすぎる印象になる場合がある)

キリスト教の葬儀では、主に生花が贈られます。白基調のアレンジメント(花籠)を選び、仏式の供花に添える名札(立て札)は使わないようにしましょう。


表書きと挨拶状のマナー

供物を郵送する場合には、掛け紙(のし紙)を掛けるのが基本です。宗教によって表書きが異なるため、相手の宗旨を確認してから用意しましょう。

  • 仏式:四十九日より前は「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」。時期を問わず贈るなら「御供」が無難です
  • 神式:「御供」「奉献」など。蓮の花が描かれた掛け紙は仏式用ですので神式には使いません
  • キリスト教式:カトリックは「御弥撒(おんみさ)」、プロテスタントは「御忌慰(おんきい)」

品物を郵送する場合は、必ず挨拶状を添えましょう。宗教を問わず、共通するマナーは以下の通りです。

  • 時候の挨拶は不要(「拝啓 〜の候」のような書き出しは省きます)
  • 「死」「苦」などの忌み言葉、「再度」「重ね重ね」などの重ね言葉は避ける
  • 句読点(。、)を使わない(弔事の礼状の慣習です)
  • 「供養」「往生」など仏教特有の言葉は、神式・キリスト教式の方には用いない

お返しの気づかいをさせたくない場合は、挨拶状の文末に「誠に勝手ながら お返しのご配慮はなさいませんようお願い申し上げます」と一行添えても構いません。


よくあるご質問

はい、時期を問わず贈ることができます。忌明け後の花は、命日や月命日に合わせて贈る方が多くいらっしゃいます。その場合は白に淡い色を加えた、やわらかい雰囲気のアレンジメントも選べます。まずご遺族に一報を入れてから手配なさることをおすすめします。

はい。花は宗教を問わず受け取っていただきやすい品物です。神式のご家庭には白基調のアレンジメントを、キリスト教式には白の洋花を中心にしたバスケットフラワーをお選びください。名札(立て札)は仏式の慣習ですので、神式・キリスト教式には添えないようにしましょう。

同梱でのご手配は承っております。「花だけでは少し寂しい」とお感じの場合や、故人の好みに合わせた品を添えたい場合はご相談ください。宗教に合わせて、適切なものをご提案いたします。花以想でもお菓子のご用意しております。

はい、できます。たとえば「注文はお子さんが行い、差出人名は親御さんのお名前で」という場合も対応しております。ご注文の備考欄、またはLINEにてお申し付けください。

全国配送に対応しています。一部の離島・山間部はお届けできない場合がございますので、配送先住所をご注文時にお知らせください。なお急ぎでご入用の場合は、まずLINEにてご相談いただけますと、できる限り対応いたします。

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フラワーギフト専門店 花以想 店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)『ベストエッセイ・2025』(光村図書出版)随筆掲載。

花以想 — 東京・蔵前のフラワーギフト専門店

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花以想は、東京・蔵前を拠点に2002年から営む、フラワーギフト専門店です。贈る方の気持ちに寄り添い、花選びから言葉を添えるところまで、丁寧にお手伝いします。

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