今さら聞けない「文化の日」と「叙勲勲章」のお話を

昨日11月3日は文化の日。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とする国民の祝日です。この日は「晴れの特異日」ともいわれるほど、過去数十年のお天気の結果を見ても晴れる確率が高く、祝日であることも相まって七五三や結婚式を行うことも多い日です。そしてその名にあるように文化の日は、文化勲章の授与式が行われる日で、毎年皇居において約800名が授与されます。

叙勲勲章とは

日本の叙勲・褒章は、昭和39年の天皇誕生日に開始された春秋叙勲で毎年2回、春は4月29日付けで、秋は11月3日付けで授与されています。

春秋叙勲での受章者は、毎回4000名ほどが選ばれ、褒章の受章者は、毎回800名ほどが選ばれます。

春秋叙勲の選考の対象は、70歳以上の者、または55歳以上の者で「精神的又は肉体的に著しく労苦の多い環境において業務に精励した者」または「人目につきにくい分野にあって多年にわたり業務に精励した者とされています。

勲章の種類にはどんなものがあるの?

まず勲章から。勲章には5種類あります。ひとつずつ見てみましょう。

1.大勲位菊花章(だいくんいきくかしょう)

旭日大綬章又は瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある方への勲章

2.桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)

国家又は公共に対し功労のある方への勲章

3.旭日章(きょくじつしょう)

功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方への勲章

4.瑞宝章(ずいほうしょう)

公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方への勲章

5.文化勲章(ぶんかくんしょう)

日本文化の発達に関し特に顕著な功績のある方への勲章

褒章の種類

褒章には6種類あります。それぞれの違いを知ることで、お祝いを贈る際にも相手の方がどんな功績を残されたかが身近になり、かける言葉にも思いが込められることでしょう。

1.紅綬褒章(こうじゅほうしょう)

「自己の危難を顧みず人命の救助に尽力したる者」に授与される褒章

2.緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)

「自ら進んで社会に奉仕する活動に従事し徳行顕著なる者」に授与される褒章

3.黄綬褒章(おうじゅほうしょう)

「業務に精励し衆民の模範たるべき者」に授与される褒章

4.紫綬褒章(しじゅほうしょう)

「学術芸術上の発明改良創作に関し事績著明なる者」に授与される褒章

5.藍綬褒章(らんじゅほうしょう)

「教育衛生慈善防疫の事業、学校病院の建設、森林の栽培、水産の繁殖、農商工業の発達などに関し公衆の利益を興し成績著明なる者又は公同の事務に勤勉し労効顕著なる者」に授与される褒章

6.紺綬褒章(こんじゅほうしょう)

「公益のため私財を寄附し功績顕著なる者」に授与される褒章

お祝いを贈りたい方へ

現在、日本には、勲章をはじめとしてたくさんの褒章や各種賞があり、受賞の機会もかなり身近なものになりました。お祝いは、受賞した賞の性質によって、おおやけに祝うか内輪だけで祝うか異なります。

受賞決定後、お祝いの言葉だけ伝えた人が贈り物をする場合は、10日以内に届けるようにします。また受賞決定後何日かたってから知った場合は、手紙、電話などでお祝いの言葉と共に祝いの花を贈ります。 いずれにしても、受賞者は長年の努力が認められて賞を受けたわけですから、周囲の人は大いにお祝いをしてあげましょう。

表書きについて

「○○授章御祝」(叙勲を受けた人へのお祝いに。「受賞」ではなく、「受章」なので注意)「受賞御祝」「○○受賞御祝」「御叙勲御祝」「寿」(受賞した人全般につかえる)「受賞」と「受章」の書き違い、勲章、褒章の種類を間違えないように気をつけましょう。まず知人の受賞・叙勲を知ったらすぐにお祝いの言葉を贈ることが何より。またその賞の内容を知った上でお祝いすることが、大切なポイントです。

授章・叙勲お祝いの花を贈る