【保存版】お供え花の基本マナー|宗教・時期・タブーもわかる安心ガイド

大切な方を偲ぶ気持ちを、静かに、やさしく花に託して。
けれど、「どんな花を選べばいいの?」「時期や宗教によってマナーは違うの?」と、迷うことも多いものです。
この記事では、はじめての方でも安心して贈れるお供え花の基本マナーを、宗教・時期・色合いなどの観点から、Hanaimoが丁寧にご案内いたします。
この記事の執筆者 Hanaimo(花以想)店主
目次
- お供え花とは?その意味と役割
- 宗教別のお供え花マナー(仏教・キリスト教・神道)
- 時期別の選び方(命日・四十九日・一周忌など)
- 避けたい花と色の注意点
- よくある質問(Q&A)
- まとめ|想いを届ける、やさしい花贈りを
お供え花とは?その意味と役割
お供え花とは、亡くなられた方への哀悼や感謝の気持ちを込めて、仏壇やお墓、ご遺族に贈る花のことです。
花には「生と死の循環」を象徴する力があり、やがて枯れる命の儚さの中に、祈りや想いを託す文化が日本各地で受け継がれています。
香り、色合い、かたち。すべてに意味をもつお供え花は、単なる「贈り物」ではなく、「気持ちそのもの」として届くもの。
正しいマナーを知り、心からの贈り物を選びましょう。

宗教別のお供え花マナー|信仰ごとの違いと贈り方の配慮
◉ 仏教(日本で最も一般的)
項目 | 内容 |
---|---|
考え方 |
「供養」の一環として花を手向け、冥福を祈る文化があります。 落ち着いた色味の花が好まれ、仏壇や法要で用いられます。 |
おすすめの花材 |
・菊(白・黄) ・トルコキキョウ ・リンドウ ・カーネーション(白・淡紫) |
避けるもの |
・トゲのある花(バラ・アザミなど) ・香りの強い花(ユリなど。✕ではないが花粉に配慮) ・派手すぎる色合い(ただし、明るめの色も近年好まれる傾向あり) |
宗派の例 |
・浄土真宗:故人はすでに阿弥陀仏の本願により浄土に往生されたと考えられるため、「冥福を祈る」といった成仏を願う言葉は用いません。 代わりに、故人を通じて仏法に出遇わせてもらったご縁に感謝する姿勢が大切にされます。 ・日蓮宗:白を中心とした花が基本とされます。 |



◉ キリスト教(カトリック・プロテスタント)
項目 | 内容 |
---|---|
考え方 |
「天に召される」という考えのもと、花は祈りの象徴。 供養というより“追悼”を表す行為とされています。 |
おすすめの花材 |
・白いユリ(復活の象徴) ・カスミソウ ・トルコキキョウ ・白バラ、カラー |
避けるもの・配慮点 |
・「ご冥福」「仏」「供養」などの仏教的表現は避ける ・赤・紫など鮮やかすぎる花は控えめに |



◉ 神道
項目 | 内容 |
---|---|
考え方 | 神道では「死=穢れ」とされるため、仏教的な花の捉え方とは異なります。 祖霊を祀る「みたまや」や「神棚」に、清らかなものを供えます。 |
おすすめの花材 | ・白を基調としたカーネーションやユリ ・榊(さかき) ・カラー、トルコキキョウなど清らかで落ち着いた花 |
避けるもの | ・仏花と明記されたもの ・仏教風のラッピングや造花 ・「冥福」「供養」の文言 |
メッセージ例 | 「ご霊前に、祈りを込めてお花をお贈りいたします」 |



時期別の選び方|命日・四十九日・一周忌・新盆など
時期 | おすすめの花 | 配慮ポイント |
---|---|---|
ご命日〜初七日 | 菊、トルコキキョウ、カスミソウ | 白基調で落ち着いた印象に |
四十九日 | リンドウ、ユリ、淡いピンクの花 | 少し色味を加えてもOK |
一周忌〜三回忌 | 白・紫を中心にやさしいトーンで | 明るすぎる花色は避ける |
新盆(初盆) | 白と淡い色のアレンジが基本 | 地域の慣習確認をおすすめ |

避けたい花と色の注意点
- トゲのある花(バラ・アザミ) → 争いを連想
- 強い香りの花(ユリなど) → 仏壇まわりの配慮
- ビビッドな赤やオレンジ → 派手すぎて不向き
「花言葉」が死や別れを連想させるもの → 例:ヒガンバナ



よくある質問(Q&A)
Q:お供え花はいつ贈るのが正しいですか?
→ 命日や法要の前日〜当日朝が望ましいです。配送の場合は午前指定がおすすめです。
Q:仏壇用に飾るときは何本必要ですか?
→ 一般的には左右対称に2本(一対)ですが、1本でも構いません。大きすぎないサイズ感が◎。
Q:プリザーブドフラワーや造花でも大丈夫?
→ 生花が基本ですが、ご遺族のご意向次第で問題ありません。長持ちするプリザも選ばれています。

まとめ|想いを届ける、やさしい花贈りを
お供え花は、言葉では伝えきれない想いを、静かに届けてくれる存在です。
宗教や地域の違いに配慮しながら選ぶことで、より丁寧な気持ちが伝わります。
贈る人も、受け取る人も、安心できる花選びを――
Hanaimoは、そんな「心をかたちにする」お手伝いをしています。
大切な想いを、丁寧にお届けいたします
\宗派・時期に合わせたご提案もお気軽に/

この記事の監修者
フラワーギフト専門店 Hanaimo(花以想)店主 鈴木咲子
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ式フラワーデザインに出会い、ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店でドイツ式フラワーデザインを習得。2002年 通販サイトHanaimo開業。
趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。
お花を贈るならHanaimoへ
