香典返しの言葉。「返礼挨拶状」の書き方と宗教別の文例を紹介します

この記事では、香典返しに添える「返礼挨拶状」の書き方と、宗教別(仏式・神式・キリスト教式)の文例をご紹介します。
※句読点は弔事の慣習に合わせて省き、改行で文章を整えています。
この記事の執筆者
Hanaimo(花以想)店主
返礼挨拶状の書き方とポイント
早速ですが、香典返しに添える返礼挨拶状の書き方について、5つのポイントにまとめました。
1. 冒頭の挨拶
冒頭では、故人が亡くなったことへのお礼と、香典を頂いたことに対する感謝を述べます。例文としては以下のように書きます。
例: 「このたびは、◯◯(故人の名前)のご葬儀に際し、心温まるご香典を賜り、誠にありがとうございました。」
2. 感謝の気持ちを表す
次に、香典に対する感謝の気持ちを表現します。
例: 「皆様のお心遣いに深く感謝申し上げます。故人も、皆様の温かいお気持ちに支えられて、安らかに旅立つことができたことと思います。」
3. お礼の言葉
香典を頂いたことに対するお礼の言葉を続けます。
例: 「ご香典のおかげで、無事に葬儀を執り行うことができました。心よりお礼申し上げます。」
4. 締めの挨拶
最後に、今後ともお世話になることを伝え、挨拶を締めます。
例: 「これからも故人が生前に賜りましたご恩を大切にしてまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。」
5. 日付と署名
返礼挨拶状には日付を記入し、差出人の名前を最後に書きます。
例: 「令和◯年◯月◯日
(差出人の名前)」
以上の5つのポイントをまとめた例文がこちらです。
謹啓
このたびは◯◯(故人の名前)のご葬儀に際し心温まるご香典を賜り誠にありがとうございました
皆様のお心遣いに深く感謝申し上げます
故人も皆様の温かいお気持ちに支えられて安らかに旅立つことができたことと思います
ご香典のおかげで、無事に葬儀を執り行うことができました 心よりお礼申し上げます
これからも故人が生前に賜りましたご恩を大切にしてまいります
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます
謹白
令和◯年◯月◯日
(差出人の名前)
次に、宗教別の文例を10案ご紹介します。
【仏式】文例(1〜4)
1. 基本形(四十九日後)
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に永眠いたしました
葬儀に際しましてはご多忙の中ご会葬ならびにご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして ○月○日に四十九日の法要を滞りなく相済ませました
つきましては心ばかりの品をお贈り申し上げますのでご受納くださいませ
謹白
2. 忌明け報告をやや丁寧に
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に永眠いたしました
その節はご多用中にもかかわらずご会葬ご厚志を賜り誠にありがとうございました
おかげさまで ○月○日に忌明けの法要を無事に相済ませましたことをご報告申し上げます
つきましては生前のご厚情に感謝し心ばかりの品をお贈りいたします
謹白
3. 当日返し兼用
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に永眠いたしました
その節はご多用中にもかかわらずご会葬ならびにご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
本日心ばかりの品をお贈りいたしますのでご受納くださいませ
謹白
4. 親しい方へのやわらかい表現
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に永眠いたしました
その折にはご多用の中ご厚志を賜り心より御礼申し上げます
おかげさまで無事忌明けを迎えることができました
つきましては感謝のしるしとして心ばかりの品をお届けいたします
謹白
【神式】文例(5〜7)
5. 五十日祭後
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に帰幽いたしました
葬儀に際しましてはご多忙の中ご参列ならびにご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
去る○月○日に五十日祭の儀を滞りなく執り行いましたことをご報告申し上げます
つきましては心ばかりの品をお贈りいたしますのでお納めくださいませ
謹白
6. 偲び草を使った表現
※「偲び草」は、神道やキリスト教の葬儀・法要における返礼品に用いられる表書きで、故人を偲ぶ気持ちを品物に込めて贈るという意味があります。仏教における「志」と同様の意味合いで、香典返しにあたる品物につける表書きとして使われます。
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に帰幽いたしました
その折はご多忙中にもかかわらずご参列ご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
先般 ○月○日に五十日祭を相済ませました
偲び草として心ばかりの品をお届けいたしますのでご受納くださいませ
謹白
7. 神式らしい簡潔形
謹啓
亡き ○○儀 ○月○日に帰幽いたしました
その節はご多忙中にもかかわらずご参列ならびにご厚志を賜り誠にありがとうございました
本日偲び草として心ばかりの品をお届けいたします
謹白
【キリスト教式】文例(8〜10)
8. カトリック形式
謹啓
故 ○○儀 ○月○日に召天いたしました
葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬ならびにご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
去る○月○日に記念会を無事に相済ませましたことをご報告申し上げます
つきましては感謝のしるしとして心ばかりの品をお贈りいたします
謹白
9. プロテスタント形式
謹啓
故 ○○儀 ○月○日に召天いたしました
その節はご多忙中にもかかわらずご会葬ご厚志を賜り誠にありがとうございました
先般記念会を相済ませましたことをご報告申し上げます
つきましては感謝の意を込め心ばかりの品をお贈り申し上げます
謹白
10. 宗教色を抑えた汎用形
謹啓
故 ○○儀 ○月○日に永眠いたしました
葬儀に際しましてはご多忙中にもかかわらずご会葬ご厚志を賜り心より御礼申し上げます
おかげさまで法要を滞りなく相済ませました
つきましては感謝のしるしとして心ばかりの品をお届けいたしますのでご受納くださいませ
謹白
まとめ
この記事では、香典返しに添える返礼挨拶状の書き方についてまとめました。
このようなあいさつ文を、香典返しと一緒に送ることで、相手への感謝の気持ちをきちんと伝えることができます。ご参考になれば幸いです。


この記事の監修者
フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。