赤い花の意味と贈り方|情熱・愛・風水で選ぶ花ギフト

Posted on 2025/05/06

赤。それは、見る人の心にまっすぐ届く、特別な色です。
情熱や愛、命の力を象徴する赤い花には、言葉にしきれない想いを託す力があります。

特別な日、大切な人、心を込めて届けたい場面──
そんなとき、赤い花は寡黙に、けれど確かに、贈り手の気持ちを届けてくれます。

還暦祝いや昇進祝い、プロポーズ、長年の感謝を伝える記念日にも選ばれる赤い花のギフト。
赤色が放つあたたかさや華やかさは、選ばれたシーンにおいて、どんな想いも引き立ててくれる存在です。

この記事では、「赤」という色に込められた意味や、文化的な背景、贈る際の色合わせのコツ、
そして風水における赤の持つパワーについて、Hanaimoの視点でご紹介します。

この記事の執筆者
Hanaimo(花以想)店主

赤は、古来より人々の心を揺さぶり続けてきた、特別な色。
燃えるような炎、めぐる命の象徴である血、朝焼けや夕陽の空──
赤は、強さとぬくもりをあわせ持ち、感情を動かす力にあふれています。

そのため、赤い花が持つ意味もまた、情熱、生命力、愛、勇気、祝福といった、力強くまっすぐな想いに結びついています。

たとえば、赤いバラには「深い愛情」や「あなたを愛しています」といった明確なメッセージが込められ、プロポーズや記念日など、大切な想いを伝えるシーンの定番として長く愛されています。

また、赤いガーベラには「前向きな力」や「希望」が込められており、新しい門出や挑戦を応援する贈りものとして人気があります。

ほかにも、赤いカーネーションは「母への深い愛情」を意味し、母の日のフラワーギフトとして、毎年多くの方に選ばれています。

このように赤い花は、花材によって微妙に意味は異なりますが、共通して強い想いや気持ちの深さを表現できるのが魅力です。

相手を想い、まっすぐな気持ちを伝えたいとき、その「伝えたい心」に一番近い色が、赤なのかもしれませんね。

赤という色は、単なる“目立つ色”にとどまらず、人の暮らしや信仰、感情に深く結びついた色として、世界各地で大切にされてきました。

その背景には、赤がもつ「強さ」「温もり」「生命力」といった象徴的な意味が、多くの文化に共通して存在していることが挙げられます。

日本でも、赤は古代から「命」や「祈り」と結びついた色として使われてきました。
縄文時代の土器や古墳時代の埋葬品に赤い顔料(ベンガラや朱)が施されていたのは、亡くなった人の魂を再生へと導くための“祈りの色”だったと考えられています。

さらに、現代に受け継がれる「還暦に赤いちゃんちゃんこ」の風習は、60年で干支がひとまわりし、「生まれ直す」節目とされることに由来しています。
赤ちゃんに還るという意味を込めて、赤をまとい、新しい人生の門出を祝う──
このように、赤は
人生の再スタートや祝福の場にふさわしい色として、暮らしに根づいているのです。

ほかにも神社の鳥居や、厄除け守り、神事の衣装にも赤が使われているのは、赤が持つ“清め”や“守り”の力を表す伝統のひとつ。
このように日本人にとって赤は、古来より神聖さと安心感の象徴でもあります。


赤の力は、日本だけでなく、世界各地の文化でも広く認められています。
たとえば中国では、赤は「幸福」や「吉兆」、「魔除け」を意味し、結婚式や春節(旧正月)、開店祝いなど、おめでたい場面に欠かせない色とされています。

インドでは、赤は「豊穣」「純潔」「聖なる色」とされ、花嫁が赤いサリーを着るのは人生の門出を飾る神聖な儀式の一部。


また西洋では、赤は「愛」や「情熱」を象徴し、バレンタインデーやプロポーズなど、感情をストレートに表す場で重宝されます。

このように、赤という色は国や宗教を超えて、「特別な想いを込める色」として愛され続けているのです。

地域・文化圏 赤の意味・使われ方 代表的なシーン
中国 幸福・吉兆・魔除け 結婚式、旧正月、開店祝い
日本 再生・長寿・守り 還暦祝い、鳥居、神事・厄除け
西洋(ヨーロッパ) 愛・情熱・官能性 バレンタイン、プロポーズ、赤ワイン文化
インド 豊穣・聖なる色 花嫁衣装(赤サリー)、祭礼装飾
エジプト・古代文化 太陽・血・再生 神殿壁画、生命再生の象徴として使用

赤という色は、なぜここまで多くの文化や人々に愛され、祝いの場で選ばれてきたのでしょうか。
それは、赤が人の命や感情の根源に寄り添う色だからです。

赤は、血や炎、太陽といった「生命を支える存在」と深く関わっています。
古来より人は、燃える火や昇る太陽の赤に力を見出し、命の営みや自然の恵みに感謝しながら暮らしてきました。


そのため、赤は「生きる力」や「新たな出発」「再生」などの象徴とされ、
災いを遠ざけ、幸運を引き寄せる色として受け継がれてきたのです。

また、赤は視覚的にも強く印象に残る色であり、見る人の気持ちを動かす力があります。
勇気づけられたり、元気をもらえたり──
心の奥にある感情を、そっと揺り動かしてくれる色なのです。

そして何より、赤は「特別な存在に、特別な想いを届ける色」として、多くの人に親しまれてきました。

還暦のお祝いには「これからも健やかに歩んでほしい」との願いを込めて、
恋人や家族には「深く、変わらない愛情」を伝える手段として。
赤い花は、その色彩だけで、言葉にならない想いをしっかりと届けてくれます。

だからこそ、人生の節目や、大切な人への贈りものには──
赤という色を選ぶことが、「あなたを想っています」という温かなしるしになるのです。

  • 赤は、血や太陽、火などの「生命の根源」を象徴する色
  • 視覚的に強く残る色であり、感情を揺さぶるちからがある
  • 多くの文化圏で「祝福」「守護」「幸福」と結びついてきた歴史がある
選ばれる理由 説明
生命の根源を象徴する色 赤は血や太陽、火と結びつき、生命力や再生を連想させる色として親しまれている。
感情に強く訴える視覚効果 視覚的に最も目に入りやすく、人の気持ちを動かすちからを持つ色とされている。
文化を超えた縁起の良さ 多くの国や地域で「祝福」「守護」「幸福」の色とされ、祝い事に選ばれてきた歴史がある。
シーン おすすめの花と贈り方
プロポーズ・結婚記念日 赤バラの花束で、深い愛と決意を伝える
昇進・栄転祝い 赤ガーベラや赤ダリアで、エネルギッシュなお祝いを
還暦祝い 赤いバラを取り入れた、上品で華やかなアレンジメント

赤は単体でも印象的な色ですが、 グリーン・ホワイト・ベージュなどの中間色と組み合わせると、やさしく上品な印象になります。

ナチュラルで華やかな印象にしたいときは、葉物のグリーンをたっぷり使うのもおすすめです。

風水において赤は、「陽の気」をもつエネルギーカラー。
情熱や行動力を高め、空間や人に活力を与えるとされています。

効果 おすすめの場所 贈るシーン
活力・前進力を高める 南・東 新生活・新たな挑戦の応援に
魔除け・守りの力 玄関・リビング 還暦祝い・誕生日祝いに
恋愛運アップ 東南 結婚祝い・恋人へのギフト・プロポーズに

赤は“強い色”でもあるため、空間に取り入れる際はバランスを意識すると◎です。

取り入れ方 印象・おすすめ花・色合い
くすみレッドやワインレッド 大人っぽく落ち着いた印象に(ダリア・カラー・バラ)
赤+グリーン+白 華やかさとお祝いの印象づけを演出(ことぶき)
差し色として使う 印象的で洗練されたアレンジに(クリムゾン)

赤い花を主役にするだけでなく、全体のバランスを考えた贈り方を意識することで、上品で記憶に残るギフトになります。

※赤は火を連想させるため、引っ越し祝い、移転祝いには選ばないのが無難です。

赤い花を選ぶということは、ただ色を選ぶのではなく、強い想いを花に託すということ。

心からの感謝や祝福、大切な人へのエールを込めて── 赤い花は、目に見えない気持ちをそっと届けてくれる“しるし”になるのです。

Hanaimoでは、贈る相手やシーンに合わせた色合い・花材のご提案、 メッセージカードの代筆なども承っています。

想いにふさわしい花を、丁寧にお届けいたします。ぜひお声がけください。


フラワーギフト専門店 Hanaimo(花以想)店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ式フラワーデザインに出会い、ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店でドイツ式フラワーデザインを習得。2002年 通販サイトHanaimo開業。

趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。