高齢者に贈る花の色選び|見えやすく、想いが伝わるおすすめの色合いとは?

Posted on 2025/05/05
高齢者に贈る花の色選び|見えやすく、想いが伝わるおすすめの色合いとは?

─ 花の色に、あなたの思いやり、やさしさを添えて ─

高齢のお母さま、お父さま、お世話になった恩師やご親族へ。
人生を重ねてきた方へお花を贈るとき、「美しさ」だけでなく「見えやすさ」「安心感のある色合い」を意識することで、より心に届く贈りものになります。

この記事では、高齢の方に贈る花の色選びのコツと、おすすめの色・花材をご紹介します。
見やすい色、好まれる色、高齢者の視覚特性を踏まえた色の印象など、Hanaimoならではの視点でまとめました。

この記事の執筆者
Hanaimo(花以想)店主

高齢の方にとって、赤やオレンジなどのあたたかみのある暖色系は、比較的はっきりと見えやすい色合いとして知られています。

また、緑色は男女共通して好まれる色のひとつです。
これは、高齢者の目を通しても、緑は色の見え方が大きく変わりにくいため、
違和感なく受け入れられるのでしょう。

ちなみに、色の好みには男女差もあると言われています。
男性は、緑や青などのすっきりとした色合いを好む傾向があり、一方で女性は、ピンクやオレンジといった、やわらかく華やかな色を選ばれることが多いようです。

まとめると

項目 内容
見やすい色 赤・オレンジなどの暖色系は、色味がはっきりしていて認識しやすい。
男女共通で好まれる色 緑系の色は見え方の変化が少なく、安心感があるため人気。
男性に好まれる色 緑・青など、落ち着きのある清涼感のある色。
女性に好まれる色 ピンク・オレンジなど、やさしく華やかな色。
高齢者にとって「見えやすい色」とは?

実際にご年配の方に人気がある色は、こんな色合いです。

色合い 印象とおすすめ花材
サーモンピンク/朱赤/オレンジ 見やすく温かみがあり、活力も感じさせる。
おすすめの花:ガーベラ、カーネーション、アルストロメリア
ローズピンク/赤紫系 女性に人気。品があり落ち着いた印象
おすすめの花:バラ、リシアンサス、芍薬など
クリーム/ベージュ系 ナチュラルで目にやさしく、周囲となじみやすい。
おすすめの花:バラ、カーネーション、トルコキキョウ、ラナンキュラスなど
やや黄みのあるグリーン 空間を和らげ、清涼感と安心感を添える
おすすめの花:ユーカリ、スプレーマム、グリーンミストなど。
高齢の方が「心地よい」と感じる色の傾向

一方で、以下のような色は注意が必要です:

  • ネイビー、濃い紫、黒に近い色:重たく感じることがあり、視認性が低下します
  • 淡いグレー、白すぎる白:光を反射しやすく、ぼやけて感じることも

ビビッドすぎる色合いは刺激が強く、白すぎると眩しく感じてしまうことも。
ややトーンを落とした暖色系+ナチュラルなグリーンを添えることで、安心感のあるアレンジに。

初夏ならサーモンピンクの芍薬や、黄色いガーベラなど。
自然に馴染む色合いで「その方の暮らしの中」に咲く花を意識しましょう。

仏間や寝室に飾る場合は、派手すぎず落ち着いた色味が好まれます。
逆にリビングなど明るい空間なら、少し華やかさを添えても◎。

高齢の方へ贈る花の色選びのコツ
贈る相手 おすすめの色と印象
70代以上のお母さまへ ローズピンク、トルコキキョウの淡紫、やさしいオレンジ系など。
やわらかく包み込むような色が人気です。
男性のご高齢者(お父さま・上司)へ 落ち着きあるグリーン+白~ベージュ系。
黄色や朱色を差し色にして華やかさをプラス。
施設・病院にお住まいの方へ 派手すぎない自然色+香り控えめの花を。
パステルの混色ブーケが◎。

色は、言葉と同じように、想いを伝える“しるし”です。
赤は情熱を、ピンクはやさしさを、緑は癒しを──花の色には、それぞれの意味や、伝える想いがあります。

ご高齢の方に花を贈るとき、「どんな色なら見えやすいかな」「落ち着いて眺めてもらえるかな」と思い巡らせること。
それは、「あなたを大切に想っていますよ」という、目には見えないやさしさの“しるし”といえるでしょう。

贈りものに少しだけこだわるということは、言葉にしきれない感謝や想いを、託すことでもあります。

Hanaimoでは、贈る相手の年齢や暮らしに寄り添いながら、色合いや花選びを丁寧にご提案しています。
言葉とともに色が届ける、あたたかな気持ちが、どうか今日も伝わりますように。

色は、言葉と同じように、想いを伝える“しるし”です

フラワーギフト専門店 Hanaimo(花以想)店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ式フラワーデザインに出会い、ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店でドイツ式フラワーデザインを習得。2002年 通販サイトHanaimo開業。

趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。