命日とは? 三回忌とは? 今さら聞いちゃう、祥月命日・周忌法要と花贈りのマナー

Posted on 2020/02/19

大切な方を亡くした後、残されたご遺族やご親族が心を込めて営むのが「法要」です。特に一周忌、三回忌、七回忌などの「周忌法要(しゅうきほうよう)」は、日本の仏教文化に深く根付いた弔いの行事であり、故人を偲び、縁のある人々が集まってその面影を語り合う大切な機会です。

しかし「命日と祥月命日の違いは?」「三回忌や七回忌はいつ行うの?」「お供え花はどんなものを選べばいいの?」など、いざ法要を迎えると疑問や不安が尽きないもの。特に現代は核家族化や地域習慣の違いもあり、正しい知識を持つことが安心につながります。

この記事では、周忌法要の基本、命日や祥月命日の意味、三回忌以降の流れ、そして法要にふさわしい花贈りのマナーについて詳しく解説いたします。

「周忌法要」とは、故人が亡くなられた日から数えて一年ごとに営む仏教の追善供養です。最初に営まれるのは「一周忌」。これは故人の死から丸一年を迎える大切な節目の法要であり、多くの場合、ご親族が集まり僧侶による読経を受け、法要後に会食をする形が一般的です。

その後は「三回忌」「七回忌」「十三回忌」など、一定の年ごとに法要を行う習わしがあります。ここで注意したいのは「数え方」です。例えば「三回忌」は亡くなった年を1回目と数え、翌年の一周忌を2回目とし、その翌年に「三回忌」を営むため、実際には没後2年目に行われます。

周忌法要は、遺族にとって故人を偲ぶ節目であると同時に、縁のある人々が集い、想いをつなぐ場でもあります。近年では簡略化される傾向も見られますが、一周忌・三回忌・七回忌は多くの家庭で重視されています。

法要の時期を考える上で知っておきたいのが「命日」と「祥月命日」の違いです。

  • 命日:故人が亡くなられた月日を指します。毎年巡ってくる大切な日であり、自宅で手を合わせたり、花を供えたりすることが多いです。
  • 祥月命日(しょうつきめいにち):亡くなられたのと同じ月日の命日を指し、特に一周忌や三回忌など、節目の法要を行う日になります。

例えば、故人が5月10日に亡くなった場合、毎月10日が「月命日」、翌年の5月10日が「一周忌=祥月命日」となります。

祥月命日には親族や親しい方々が集まることが多く、花や供物を贈る際も慎みを持ちつつ、心を込めて選ぶことが大切です。

一周忌を終えると、次に大きな節目となるのが三回忌です。

  • 三回忌:亡くなった翌年が一周忌、その翌年が三回忌にあたります。親族の多くが集まる最後の大規模な法要とされることが多く、ここを境に規模を縮小する家庭も増えています。
  • 七回忌:亡くなってから満6年後に営まれる法要。親族中心で執り行う場合が多く、規模は比較的小さめ。
  • 十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十五回忌、三十三回忌:地域や宗派によって省略される場合もありますが、三十三回忌を「弔い上げ(とむらいあげ)」として最後の法要とすることが一般的です。

現代では、遠方からの参列が難しいケースもあり、親族だけで営む「内輪の法要」や、寺院に依頼して僧侶のみで供養を行う「永代供養」を選ぶご家庭も増えています。大切なのは形式よりも、故人を偲ぶ気持ちを絶やさないことです。

周忌法要に関わる際、特に迷いやすいのが「マナー」です。ここでは、参列者と花を贈る側の両方の周忌法要に関わる際、特に迷いやすいのが「マナー」です。ここでは、参列者と花を贈る側の両方の視点から整理します。

  • 服装:一周忌・三回忌までは喪服を着用するのが基本。七回忌以降は地味な平服でも可とされることが多い。
  • 香典:表書きは「御仏前」が一般的。金額は故人との関係性によって異なりますが、親族は1万円〜3万円、友人・知人は5千円程度が目安。
  • 持参品:数珠は忘れずに。袱紗に包んで香典を持参すると丁寧です。

法要における花は、故人を偲び、ご遺族の心を慰めるための大切な供物です。

  • 一周忌・三回忌:白を基調に、淡い紫や水色を合わせた落ち着いた色合い。胡蝶蘭、菊、百合、カーネーションなどがふさわしい。
  • 七回忌以降:少しずつ色花を取り入れてもよい。淡いピンクや黄色など、優しい彩りでまとめると慰めになります。
  • 避けたい色:赤や濃いピンクなど、華美で祝いを連想させる色は不向き。派手な装飾や香りが強すぎる花も避けましょう。
  • 命日や祥月命日に合わせて贈るのも、故人を偲ぶ心を伝える方法です。
  • 法要の前日までにご自宅や会場へ届くように手配するのが安心。
  • 遠方の場合は、法要当日の午前中指定で配送を依頼することもあります。

周忌法要は、単なる形式的な行事ではなく、故人を想い、そのご縁を大切にするための時間です。命日や祥月命日を正しく理解し、三回忌以降も続く法要に節度を持って臨むことで、ご遺族に安心を届けることができます。

花は、言葉以上に想いを伝える存在です。静かな白い花、やさしい彩りを持つアレンジメントは、悲しみに寄り添い、心を癒す力を持っています。

花以想(Hanaimo)では、マナー監修のもと安心して選べるお供え花を全国へお届けしています。仕上がり画像の確認、LINEでのご相談、法人対応の立札無料サービスなどもご用意しておりますので、ご不安なときにはぜひお気軽にお声がけください。

フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。