【保存版】知って安心。香典返しの基本ガイド

Posted on 2025/08/16

香典返しの方法と特徴まとめ

種類タイミング特徴・メリット注意点
当日返し葬儀当日・その場でお渡しできる
・遠方からの参列者に配慮できる
・忌明けを待たないため地域によっては好まれない場合あり
忌明け返し四十九日など忌明け後・香典帳を整理して金額に応じた品を選べる
・より丁寧なお礼ができる
・発送準備や管理に時間と手間がかかる

掛け紙には「志」「満中陰志」「偲び草」など、宗派や地域に合わせた表書きを用います。
水引は、仏式では黒白や双銀、神式は双白、キリスト教では銀一色など、宗教によって選び方が異なります。

香典返しの掛け紙と水引の種類(宗教別)

宗教・宗派表書きの例水引の色・形
仏式志、満中陰志黒白、双銀、黄白(関西)
神式偲び草双白
キリスト教志、偲び草(宗派により異なる)銀一色

たとえば親戚やお世話になった方から、著しく高額な香典をいただくこともあるかもしれません。そんな場合には、一般的な「半返し」以上のお品をお届けする場合もあります。具体的には、カタログギフトや上質な食品など、相手に負担をかけない品を選ぶのが無難です。

なお、親族で高額な香典を包まれた方は、相互扶助の目的が強いと考えられます。その場合は必ずしも額にとらわれない選択をしてもよいでしょう。

生花や花輪も「お供え」として香典返しの対象に含める場合があります。ただし、地域やご家庭の考え方によるため、判断に迷うときは事前に相談するのがおすすめです。

弔電のみの方には返礼品は不要ですが、お礼状やお電話で感謝をお伝えするのが望ましいです。
生花や花輪のみの場合は、香典と同様に半返しを行う地域もあり、その場合はお茶やお菓子など日持ちする品が選ばれます。

忌明け返しの時期が月をまたぐことを「三月またぎ」または「三月掛け」と呼びます。これはお祝い事や弔事のお返しなどを三か月にわたって行うのはよくないという、ある種の迷信です。縁起を気にして避ける地域、それを気にされる親戚などが要る場合には、お寺の方や僧侶に相談することをおすすめします。

喪中はがきをお送りした後に香典をいただくこともあります。その場合は一週間から十日後に先方に着くように、「志」の掛け紙で挨拶状とお返しを贈ります。挨拶状は「ご厚志を賜り、誠にありがとうございました」と簡潔に述べれば十分です。

お盆やお彼岸に香典返しが届くのは、弔事と重なって好まれない場合があります。宅配の混雑時期でもあるため、到着日は少しずらす配慮が安心です。

香典返しを受け取った側は、基本的にお礼の必要はありません。ただし、親しい関係であれば「無事に忌明けを迎えられたことを安堵しています」と一言伝えると、相手の心も和らぎます。

  1. 時候の挨拶は省略する
    • 弔事の挨拶状では、季節のあいさつやお祝いごとで使うような言葉は避けます。
    • 代わりに、訃報と香典へのお礼から始めるのが基本です。
  2. 謹んだ言葉遣いを使う
    • 「お礼申し上げます」よりも「厚く御礼申し上げます」など、控えめで丁寧な表現を選びます。
    • 「めでたい」や「喜び」に関する言葉は入れません。
  3. 亡くなった日・法要日を明記する
    • 「故○○儀 ○月○日に永眠いたしました」
    • 「このたび○月○日に四十九日の法要を滞りなく相済ませました」など。
  4. 香典返しの品を贈る旨を伝える
    • 「心ばかりの品をお贈りさせていただきます」など、控えめに記します。
  5. 結びの言葉で感謝とお願いを添える
    • 「今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます」など、遺族としてのお願いを含めて締めます。
  1. 句読点を使わない
    • 弔事文では「悲しみが途切れない」ことを避けるため、句読点は使わず改行やスペースで区切ります。
  2. 宗教・宗派に合わせる
    • 仏式:四十九日/満中陰志
    • 神式:五十日祭/偲び草
    • キリスト教式:召天日/記念会など、用語を合わせます。
  3. 不吉な連想を避ける言葉は使わない
    • 「再び」「重ねて」など、不幸が繰り返される印象のある言葉は避けます。
  4. 送り主名の書き方
    • 喪主または遺族代表者のフルネームを記載します。家族連名の場合は代表者名を先に書き、続柄や連名を添えます。
  5. 印刷でも手書きでも整った形で
    • 印刷文でも構いませんが、封筒やはがきに一筆手書きで添えるとより温かみが伝わります。

フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。