緑寿(ろくじゅ)とは?66歳を祝う新しい長寿祝いと花贈りのマナー

長寿祝いといえば「還暦(60歳)」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。古くから日本では、60歳を迎えたことをひとつの節目とし、赤い色を身にまとって「生まれ直し」を祝う習慣がありました。その後も「古希(70歳)」「喜寿(77歳)」「米寿(88歳)」など、年齢ごとに由来あるお祝いが続きます。
しかし近年では、還暦を迎えてもまだまだ現役で働き、若々しく活動している方が多く、「長寿祝いをするには早すぎる」と感じるケースも増えました。そうした背景から、新たに広まってきたのが 「緑寿(ろくじゅ)」=66歳のお祝い です。
この記事では、緑寿の由来や意味、還暦との違い、66歳という年齢の文化的意義、そして実際にどのように祝えばよいのか、さらにふさわしい花贈りのポイントまで詳しくご紹介します。
この記事の執筆者
Hanaimo(花以想)店主
緑寿とは?その由来と歴史
緑寿(ろくじゅ)は、満66歳を迎える方のお祝いを指します。従来の長寿祝いは中国の思想や日本の干支文化に基づくものが多いですが、緑寿は比較的新しい記念日のひとつです。
起源は2002年、日本百貨店協会が提唱したものとされています。統計上「高齢者」とされる年齢が65歳と定義されたことを背景に、「65歳を過ぎて迎える66歳を新しい節目として祝おう」という考え方から広まりました。
つまり緑寿は、現代社会に即した長寿祝いであり、従来の「還暦」や「古希」とは異なり、現代的な健康寿命やライフスタイルに合わせた記念日なのです。

なぜ66歳を祝うのか ─ 還暦との違い
還暦は「干支が一巡して生まれた年と同じ干支に戻る60歳」を起点としています。一方で現代では、60歳は定年を迎えながらも再雇用や新しいキャリアを築き、まだまだ社会の第一線で活躍する年齢です。
そのため、「60歳は長寿祝いというより、これからの人生の新しいスタート」と捉える人が増えました。そこで還暦から少し間をあけ、本格的に第二の人生を楽しむ年齢=66歳を「緑寿」として祝うのが自然になったのです。

緑色に込められた意味
長寿祝いにはそれぞれ「テーマカラー」があります。
- 還暦(60歳):赤
- 古希(70歳):紫
- 喜寿(77歳):紫
- 傘寿(80歳):金茶
- 米寿(88歳):黄色
そして緑寿のテーマカラーは、その名の通り「緑」です。
緑色には以下のような象徴があります。
- 若さと活力:新緑の芽吹きを思わせるフレッシュさ
- 健康と長寿:自然との調和、癒しの色
- 再生と希望:これからも続く人生を応援する意味
還暦の赤が「生まれ直しのエネルギー」を象徴するのに対し、緑寿の緑は「成熟と再スタートのバランス」を表す色。心身ともに落ち着きを得つつ、まだまだ前進できる力強さを示しています。
緑寿祝いの過ごし方とおすすめギフト
緑寿祝いは比較的新しい慣習であるため、形式ばった決まりはありません。還暦の「赤いちゃんちゃんこ」のように決まった衣装も存在せず、より自由で現代的な祝い方が特徴です。
過ごし方の例
- 家族で食事会を開く
- 緑色の小物や服をプレゼントする
- 旅行や趣味の時間をプレゼントする
- 孫や子どもからの手紙やアルバムを贈る
ギフトのおすすめ
- 緑色を意識した品:ネクタイ、スカーフ、アクセサリー
- 健康や癒しに関わる品:マッサージ機、観葉植物、アロマグッズ
- 思い出を残せる品:フォトフレーム、名前入りグラス、記念時計
形式にとらわれず、本人が喜ぶもの・これからの生活に役立つものを贈るのが喜ばれるポイントです。

緑寿祝いに贈る花の選び方
花は、どんな記念日にも心を添えるギフトです。緑寿の場合、テーマカラーである「緑」を意識したアレンジメントが特におすすめです。
おすすめの花材
- 白×グリーン基調:清らかで落ち着きある雰囲気(胡蝶蘭、トルコキキョウ、カーネーション、グリーン系リーフ)
- 差し色に淡い紫や黄色:高貴さや華やかさを控えめに添える
- 観葉植物:長寿や健康を象徴する贈り物として人気
贈り方のマナー
- 花束よりもアレンジメント:そのまま飾れるため受け取った側の負担が少ない
- 緑を強調しすぎないバランス:白や淡い色を組み合わせ、華やかさを演出
- メッセージカードを添える:「これからも元気で」「新しい人生を楽しんで」など、前向きな言葉を選ぶ
緑寿は「まだまだ若々しく活躍できる年齢」を祝うものですから、「落ち着き」だけでなく「未来への期待」を込めた花選びがふさわしいでしょう。
まとめ:現代にふさわしい長寿祝い「緑寿」
緑寿は、66歳という節目を祝う新しい長寿祝いです。還暦から6年後、社会的にも人生の新しいステージを迎える時期に、「健康」「活力」「希望」を象徴する緑色をテーマにして祝います。
形式にとらわれすぎず、自由に、そして温かく祝うことができるのが緑寿の特徴。家族の食事会や思い出作り、緑にちなんだギフトや花を添えて、大切な人の人生を称えましょう。
花以想(Hanaimo)では、緑寿をはじめとする長寿祝いにふさわしいアレンジメントをご用意しています。仕上がり画像で安心確認ができ、全国配送にも対応。お祝いの気持ちを込めたお花を、ぜひ大切な方へお届けください。

この記事の監修者
フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子
インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。
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