町と花屋と子供たち

Posted on 2025/08/15

こんにちは。店主 鈴木です。お盆休みはいかがお過ごしですか。

先日のこと、近所の学童保育の先生にお声がけいただき、夏休み中の学童保育のイベントとして地元の小学生を対象とした「花屋さんのお仕事体験」ワークショップを開催しました。

花以想では、お花に少しでも傷や痛みがあると、基本的に皆さんのご注文品には使えないため、どうしても「ロス」が出てしまうんですね。

そんなお花も、直接お客様に状態を見ていただき、手渡しできるなら、相応の価格でお渡しできることもありますが、やはり、皆さんの贈り物(通販ギフト)には使えない。

それであれば「子どもたちのワークショップに使ってはどうだろう?」というアイディアが浮かび、ご提案をしました。

使用した道具は、2Lのペットボトルと「まだまだ飾れる」お花たち。

先生方は「え~~こんなにいいお花、使っていいの???」なんて驚いてらっしゃいましたが、笑

そうやって喜んで頂けるなら、お花にとっても本望です。とお話して、遠慮なく使っていただきました。

ワークショップの内容は

横にしたペットボトルに穴をあけ、予め吸水性スポンジをセットそのスポンジに、花を挿していく作業。そう、「アレンジメント」の制作体験です。

さて何人くらい参加してくれるかしら?は当日までわからなかったのですが、ふたを開ければなんと50人!も参加してくれました。笑

感心したのは、それほど多くの子どもが集まっているのにも関わらず、どのグループにおいても子供同士ケンカすることもなく譲りあい、和気あいあいと楽しんでくれてたことです。

あわせて「子供たちにこんなに創造力があるとは!」と驚いてらした先生方の表情も印象的でした。

花と子どもたち。といえば、花以想の姉妹店「こめて」は、東京下町にある花屋ですが、日ごろから子供たちの出入りが多い花屋なんですね。

お父さんお母さんと一緒に来店してくれる子もいれば、ランドセルを背負った男の子が

「お友達にプレゼントしたい~」と寄ってくれたり、兄妹で「お母さんの誕生日に渡すの」

と買いにくる事もあります。

そういえば学校帰り、花屋には用がないのに、店の中を一周して「さようなら~」と帰っていく子もいました。笑

一見、個性的にも映る子どもたちですが、でも実は家族を思いやる気持ちがあり、友達を守る正義感があり、兄弟を見捨てない優しさがあることを私たち花屋は、知っています。またそれは

子どもたちを見守る大人のおおらかさ、お父さんお母さんのお人柄、努力の賜物だということも。

近年、子どもたちの「居場所」が限定的になっているのを感じていますが、このような町の花屋のささやかな存在が、みんなの拠り所になり、育った町の景色になり、そして懐かしい思い出の一つとなれば、嬉しいな。

そんなふうに思っています。

ひまわり 花言葉「あなたを見つめてる」

ひまわり 花言葉「あなたを見つめてる」

フラワーギフト専門店 Hanaimo 店主 鈴木咲子

インテリア系専門学校に進学後、進路転向し花の世界に。ドイツ人マイスターフローリストに師事。2000年に渡独、アルザス地区の生花店に勤務し帰国後、2002年 フラワーギフト通販サイトHanaimo開業。趣味は読書、文学に登場する植物を見つけること。高じて『花以想の記』を執筆中。2024年 5月号『群像』(講談社)に随筆掲載。一般社団法人日本礼儀作法マナー協会 講師資格。