言葉
「子を思う 親の心は日の光」
「子を思う 親の心は日の光 世より世を照る 大きさに似て」
有島武郎
『小さき者へ・生まれ出づる悩み』より
これは作家有島武郎の妻、安子の言葉です。
28歳という若さで亡くなった安子には
4つ、5つ、6つと小さな子供がありましたが
まだあどけない清い心のわが子に
結核を患った自身の残酷な死に触れさせないよう
彼女は一切、子どもたちに会わなかったそうです。
この作品を知り、この言葉に触れたとき
無償の愛とは親に授けられた無二の愛であること
親が子どもを思う心情とは
どれほど温かく、広がりを持っているかを
思い知り、感動しました。
そしてこの作品の最後にある
武郎自身が子供たちに残した言葉も
印象深く、いまも私の心に残っています。
「小さき者よ。不幸なそして同時に幸福なお前たちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ。」
子を思う親の心は日の光。
ずっと忘れられない言葉です。
店主
