実用文十訓

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今年の春に始まったNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」の反響がおおきいらしく、このところ本屋に立ち寄ると、暮らしの手帖社から出版された過去の書籍や、花森安治、大橋鎭子に関するものが平積みになっている。

きっかけはなんであったかは忘れたのですが、2011年ごろから「暮らしの手帖」を定期購読するようになり、今も2か月に一度届くのを、楽しみにしています。手元に届くと、ああ次は春だ、初夏か、とふしめを知らせてくれて、ささやかにうれしく楽しい。

広告が一切載っていない紙面は、見終えるまで一貫して雑味ありません。またそういうと、写真や挿絵がかもしだす雰囲気ばかりに眼がゆくのだけれど、そればかりではない。こちら読み手のここちよさまで考えてくれているのは、あの選ばれた明朝体のフォントと行間までにゆきわたってると思うのですね。あれ気持ちいいですよね。イワタ明朝だったかしら。どこかに控えていたのだけれど。どこにやったかしら。

相して忌憚ないというか、外連味ない、ここちよい雑誌です。

そうそう、いいたかったのは、このような仕事をしていて、伝える、とか、書く。ということに、まえむきに、ていねいであることを、教えてくれたのは花森安治の本であったのですよ。ということ。

うまく書くことや、伝達するための「うまいやりかた」を教えてくれる本は、本屋にもたくさん並んでいるし、私も過去に何冊か手にしたのですが、なんでだか、あまり心に残った本は少なくて。気分が過ぎれば手放すものが多いのですから、買わなくなりました。

それでも良本との出会いを楽しみに本屋に通うなかにあって、あるときこの「実用文十訓」に出会った。ああこれでいい。と思ったのでした。この10だけでも守ることができたら、少しは人の役に立つことも、伝えることができるかもしれない。どのみちそんなにたくさんのことは、覚えていられないし、繰り返すこともできないのだから、この10だけ守って、伝えることをしてみたらいいのでは?などと。

そのときにふと、これは普段の言葉遣いにも同じことと思いましたから、しばらく手書きしたものを財布に入れて持ち歩いてたのですが、財布をかえたときに失くしたのよね。あれもどこへ行ったかしら。

そういうわけでそうそう、これが私の「書く」の原点になった、といっても大げさではないので、もう一度初心にかえるような気持ちで、こんな駄文にいたったわけです。目にしていただきたいのは、あとの十訓だけだったはずなのにすみません。余談ですが、私がどこかしこで「あなた」とつかうのも、この十訓を座右としたのがはじまりなんですよ。なあんていうのも、ここだけの話。

実用文十訓

(1)やさしい言葉で書く。
(2)外来語を避ける。
(3)目に見えるように表現する。
(4)短く書く。
(5)余韻を残す。
(6)大事なことは繰り返す。
(7)頭でなく、心に訴える。
(8)説得しようとしない(理詰めで話をすすめない)。
(9)自己満足をしない。
(10)一人のために書く。