私たちの役割は「正しい情報」と「らしさ」のバランスを考えること

正しい情報って、どこにあるんだろう。

いまや世界はインターネットで繋がれ、多くの情報や品物が簡単に手に入るようになりました。なのにその一方で、ほんとうに正しい情報がどこにあるのか見つけられず、何を信じていいのか判断できずにいる人も少なくありません。

私たちは、通販の花屋として、日々さまざまなご相談や質問をお受けしていますが、そのような場面でもお客様が「ネットに書いてあるいろいろ」「理解を深められない情報」「情報の信頼性」に困惑している様子を感じ取ります。

HANAIMOでは「花を贈る」という限られたシーンでのことですが、お客様の悩みは花の贈り方にはじまり~手紙の作法、言葉の選び方、言葉の使い方、気づかいのタイミング、相手への礼儀、場面ごとの作法、マナーについてなど様々です。

おそらく、はじめはネット検索するものの、答えが見つからない方が多いようですね。インターネットやSNSの出現によって、人との関わり方・繋がり方をアップデートしたはずなのに、私たちが取り巻く環境下では、人との接し方やかかわり方がますます複雑に、難しくなっている。そのことを、この仕事を通じても実感しています。

とくに贈答の場面では、どのように相手を思いやり敬えばいいのか、その心をどのように表現していいのか、解らずに困りますよね。私自身もそう。ですから、お客様からのご相談には「わかるー」「ですよねー」と思わず声にしてしまうことも少なくありません。で、そんなやりとりの中で、気づいたことがありました。

それは、私たちのお客様は、いわゆる一般常識や礼儀作法・マナーといった「正しい情報」を知りたい欲求だけでなく、「自分らしさ」「相手らしさ」を失いたくない欲求もあるということです。そしてそれらは、往々にしてセットだということ。どちらかが欠けていても不安だし、どちらかが突出していても不安。

つまり双方は切り離せるものではなく、バランスよく持ちあわせることで、お客様も安心することが出来る。そんなことを思ったのです。どうでしょうか。

この投稿は昨日配信したニュースレターからの抜粋、書き直したものですが、ちょうど書き直している最中、隣にいたCS担当の福島から、お客様への返信について相談があり、この話をしてみました。

私たちの役割は「正しい情報」とその人「らしさ」のバランスを考えること。

そのバランスを見極めること、ときには決めてさしあげることが、私たちの役割じゃないのかなと。「正しさ」と「らしさ」のバランスを2:8とするか、4:6とするか、5:5とするか、その落としどころを見つけてあげる。

でも実はすでに、彼女たちはそうやって、お客様に接しているんですよね。きっとCS担当としての「難しさ」を感じることの一つには、お客様にとっての最適なバランスが、うまく見つけられないこともあるのでしょう。

それでも彼女たちは毎日、自分だけではない、お互いの心の満足を求めて、「正しさ」と「らしさ」のバランスを考え続けている。
 
よく口にはするけれど、本来の意味で「お客様の立場を考える」「お客様に寄り添う」って、そういうことじゃないかな。彼女たちの様子を見守りながら、そんなことを考えました。